命令教室
「みんなの秘密を探るのって面白いじゃん!」


未来の目はキラキラと輝いている。


「ね、いいじゃん。一緒に行こうってば」


痛いほど腕を掴まれて顔をしかめる。
未来や純子たちはこういうときに相手の気持ちを考えない。
容赦ない部分もあるので苦手だった。


「でも……」


まだ渋っている私に未来の表情が険しくなる。


「なんでそんなに断るわけ?」


明らかに私を被弾した声色に変わる。
それを言うならどうしてそんなにしつこく誘うの? と聞きたくなるけれど、不機嫌さむき出しの未来になにも言えなくなってしまう。


「わ、わかった。一緒にいくよ」


未来の威圧的な態度にそう返事をすると、未来は急に笑顔に切り替わった。


「じゃあ、今夜1時に食堂の前に集合ね!」


未来はそれだけ言うと、一段とばしで階段を駆け上がっていったのだった。
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