命令教室
それから私達は予定通り一緒に図書委員に立候補した。
幸い他に立候補する生徒はいなくて、すぐに決定したのだ。
それから1年間、香とふたりでの委員会活動は本当に楽しかった。
学校の図書室に置くための新刊をふたりで選んだり、つい読書に没頭してしまって先生から怒られたり。
こんな日がきっとずっと続いていく。
私と香の関係はなにもかわらない。
そう思っていたのに……。
急に夢の中の世界から色が消えた。
カラフルに彩られた世界が一変して白黒に変化する。
それと同時に周囲の気温が急激に下がってきて、白い息が吐き出された。
一体どうしたんだろう。
不安になって隣に立つ香の手を握りしめる。
その手は信じられないほどに冷たくて私は目を見開いた。
香には表情がなく、呆然として前を向いている。
「香?」
話しかけても返事はなく、私の方をむこうともしない。
嫌な予感が体に駆け巡ったそのとき、隣に立っていたはずの香が忽然と姿を消していたのだ。
音もなく、まるで最初からそこにいなかったみたいに……。
幸い他に立候補する生徒はいなくて、すぐに決定したのだ。
それから1年間、香とふたりでの委員会活動は本当に楽しかった。
学校の図書室に置くための新刊をふたりで選んだり、つい読書に没頭してしまって先生から怒られたり。
こんな日がきっとずっと続いていく。
私と香の関係はなにもかわらない。
そう思っていたのに……。
急に夢の中の世界から色が消えた。
カラフルに彩られた世界が一変して白黒に変化する。
それと同時に周囲の気温が急激に下がってきて、白い息が吐き出された。
一体どうしたんだろう。
不安になって隣に立つ香の手を握りしめる。
その手は信じられないほどに冷たくて私は目を見開いた。
香には表情がなく、呆然として前を向いている。
「香?」
話しかけても返事はなく、私の方をむこうともしない。
嫌な予感が体に駆け巡ったそのとき、隣に立っていたはずの香が忽然と姿を消していたのだ。
音もなく、まるで最初からそこにいなかったみたいに……。