命令教室
壁に背中をつけて座り込むと、隣に修がやってきた。


「大丈夫?」

「うん……」


頷いて答えるけど、その声も震えてしまった。
これじゃ解決の糸口を探すことなんて到底不可能だ。
3人の怒鳴り合いはまだ続いていて、時折バッドで床を叩く激しい音も混ざり始める。
暴力に発展してしまいそうな勢いだ。


「入っちゃいけない部屋って、一番奥の部屋だったよね?」

「うん。そうだよ」


私はどうにか頷く。
修はこんな時でも冷静に判断しようとしてくれている。
私は少しでも力になりたい。


「そこでなにかあった?」


その質問に御札のこと、何者かのうめき声が聞こえてきたことを説明しようとしたとき、ガタンッと大きな音が響いて顔を向けた。
充か正志のどちらかが机を倒したのかと思ったが、ホワイトボードが横倒しになった音だった。
私と修は目を見交わしてホワイトボードに近づく。
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