命令教室
☆☆☆

『喧嘩する者は消えろ』
その文字を見た3人は同時にサッと青ざめた。


「消えろって。私達3人のこと?」


未来が不安そうな表情で聞く。
たぶん、そうなんだろう。


「もう喧嘩してないんだから、大丈夫だと思うけど……」


だけどホワイトボードの文字はまだ消えない。
3人は互いに目を見交わせて戸惑っているのがわかる。


「俺、自分の部屋に行く」


そう言ったのは正志だった。
さっきまでバッドを振り回していたから、余計にこの文字に恐怖を抱いているのだろう。
ひとことそういっただけですぐに教室を出ていってしまった。


「俺も。気分悪りぃ」


充はまだ怒りが収まっていないのかチッと大きな舌打ちを残して出ていってしまった。


「未来……」


残った未来に声をかける。
しかし未来は目に涙を浮かべて左右に首をふると、他のふたりと同じように教室を出ていってしまったのだった。
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