命令教室
☆☆☆

本当にみんなバラバラになってしまった。
もう5人しか残っていないのに、これじゃ協力して原因を探ることなんてできない。
教室に残された私は近くの椅子に座り込んでため息を吐いた。
これから先どうすればいいのか全然わからない。
とにかく体も心も疲れ切ってしまっていた。


「頭が冷えたらきっと戻ってくるよ」


隣の席に座って修が言う。
修もあまりよく眠れていないようで、目の下にクマができていた。


「修も部屋に戻る?」

「いや、俺はもう少しここにいるよ」


そう言ってそっと手を伸ばしてくる。
修に手を握りしめられても胸がときめかない。
それくらい私は疲弊してしまっていた。


「どうしてこんなことになっちゃったんだろう……」


次々と仲間たちがいなくなったことを思い出すと自然と涙が出てくる。
修とふたりきりだということで緊張が薄れたのか、涙は次から次へと溢れ出して止まらない。



「うっ……ふっ」
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