命令教室
だって修はずっと応援してくれていた。
みんなでグラウンド100周したときも、テストのときも。


「どけろよ!」


正志が私の顔の前で怒鳴り散らす。
唾が飛んで私の頬にかかった。
顔をそむけてどうにか我慢すると、正志を睨みつけた。


「喧嘩はしちゃいけないって、ホワイトボードに書いてたはずだよ。ここでまた喧嘩したら、きっと消えちゃう!」

「だからなんだよ? 俺と充のふたりはどうせもう手遅れだ。だったら一番怪しいやつを攻撃したっていいだろうがよ!」

「手遅れだなんて、そんな……」


大丈夫だとは言い切れない。
未来は喧嘩をやめた後で消えてしまったんだから。
それでもこれ以上言い争いをさせたくなくて、私は両足にグッと力を込めた。
意地でもここからどかないつもりだ。


「くそっ! くそっくそっくそっ!」


途端に頭をかきむしって絶叫し始めたのは充だった。
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