命令教室
ガタガタと上下に揺らしてみたりしているけれど、そう簡単には開かないようだ。


「カギを探さないとダメみたいだね」


そう言って部屋の中を見回してみるけれど、探す場所はもうほとんどない。
私は襖に手をかけて横に引いた。
襖の中には沢山の布団が山積みにされていて、思わず飛び退いた。


「昔はこの部屋もちゃんと宿泊場所として使われてたんだろうな」


修が私の後ろに移動してきて呟く。


「そうだね。とにかくカギを探さなきゃ」


これだけ布団があっても、探すのはすぐに終わる。
私は布団の山に手をかけて、一気に引きずり出したのだった。
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