命令教室
日記を書いたであろう男児の名前が書かれていない。



「この記事が正しければ、このふたりが行方不明になったのは、救急搬送された後ってことだよね?」

「たぶん、そうだな。発作と生徒が消えたこととなにか関係があるのか……?」


眉間に深いシワを寄せる修に対し、私はなにかひっかかるものを感じていた。


「この日、日記の少年は友達に呼ばれてついていったんだよね?」

「そう書いてあったよな」

「もしかしてこの行方不明の男児たちって、少年を呼び出した子たちじゃないかな?」


これは単なる憶測だった。
事実はなにもわからない。
けれど、今ままで起きた出来事と過去を照らし合わせてみると、そう解釈できる。


「それで、ふたりが消えたときにはもう、少年は息を引き取ってたのかも……」


少年が死んだなんて考えたくはなかったけれえど、あの御札の部屋や非現実的な出来事を考慮すると、もうそれ以外に可能性はなかった。


「少年が発作を起こして死んだから、ふたりの男児が消えた?」

「そう。きっと消されたんだよ! 今の私たちみたいに!」


真相に近づいてきてつい声が大きくなる。


「そうか。それであの部屋は封鎖された」
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