命令教室
修の呟きに私はまたファイルをめくった。


「でも、誰が少年の発作と行方不明事件を結びつけたんだろうな」

「少年は合宿でここに来てたんだよ? 目撃者くらい、沢山いたんじゃないかな?」


少年がひとりでいたところに声をかけた田中と小原。
ふたりと一緒に部屋へ向かう少年。
それらを見ていた人物だって、きっと少年が発作で死んでしまうなんて思ってもいなかったんだろう。
子供の悪ふざけ。

または同級生の単なるイタズラ。
そう捉えていたのかもしれない。
だけどその後閉じ込められていた少年が発作に倒れて死んでしまう。
その直後に関与していたふたりがこつ然と消えてしまって、きっと不安になったんだろう。

これは少年の呪いに違いない。
そう判断して、あの部屋を封じたんだ……。


「結局、行方不明のふたりは見つかってないのかな?」


修の言葉に私は苦虫を噛み潰したような顔をした。


「たぶん、そうだと思う」
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