命令教室
今私達の身に起こっている出来事が、無条件で実行された可能性はある。
自分を閉じ込めて死に至らしめたクラスメートふたりを、許してはおけなかったんだろう。


「その御札を破ったってことか……」


修が頭を抱えてうめき声をあげる。


「ごめん。本当にごめんね」


あの部屋がいわくつきの部屋だとわかっていれば、入ることはなかった。
全力で充たちを止めていたのに。


「歩のせいじゃない」


そういいながらも修は顔を上げてくれない。
胸がチクリと痛むけれど、私達のせいで巻き込んでしまったのだから当然の結果だった。
この合宿で少しでも仲良くなりたいと思っていたけれど、それはもう無理かもしれない。


「待てよ?」


ふとなにか思い出したように修が顔を上げる。


「それならどうして俺たちは一気に消されずに、回りくどいことをされてるんだ?」

「え?」


そんな事考えたこともなかった。


「どうして毎日ホワイトボードに命令なんて書く必要があるんだと思う?」


その質問には答えられなかった。
もしかして、少年は怨念だけで動いているのではなくて、もっと他の理由がある?
私はすぐにファイルに目を通し始めた。
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