命令教室
それってどういう……?
そう思った次の瞬間だった。


「おーい! 大丈夫か!」


聞き慣れた声がグラウンドから聞こえてきて私達は同時に窓へと走った。
窓を大きく開くと、そこには先生の姿があったのだ。
先生だけじゃない。
消えていった仲間たち全員がこちらへ向けて走ってくる!


「みんな!!」


私は叫び声をあげて修とともに走り出した。
教室を飛び出して、滑るように廊下を走り、そして入り口の前で立ち止まる。
修が手を伸ばしてガラス戸を大きく開く。


「行くぞ」


再び手をつないでふたり同時に足を踏み出した。
なにも私達を遮らない。
なにも私達を突き飛ばさない。

私達の体はすんなりと外へ出ることができたのだ。
目を身交わせて歓喜の叫び声を上げる。
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