命令教室
☆☆☆

結局不安は杞憂に終わった。
先生は朝食を作っている間も、食べている間も特になにも言ってこなかったのか。
本当にバレていないのか、それとも知っていてみんなの前で黙っていてくれているのかはわからないけれど。
怒られるとしても他の生徒たちが居ない場所でだろう。

修に知られることがなくて安心している間に、あっという間に朝食の時間は終わってしまった。
今朝作ったのは卵焼きとウインナーの炒めものだ。
昨日の内にタイマー予約していたお米がまだ炊けていないというハプニングはあったものの、それ意外は楽しい時間になった。
それから1時間後、私達生徒は1階の教室に集まっていた。

これから本格的に勉強が開始されるのだと思うと少し気が重たい。
教室から見える窓の外の景色はだだっぴろいグラウンドだけだし、なんだかちょっと物足りない気持ちになってくる。
席は自由なので私と香は窓際の席に並んで座ることにした。


「最初の1時間は数学のプリントをしてもらう。わからないところがあったら、遠慮なく質問しろよー」
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