命令教室
そんな私語が聞こえ始める。
私も1日の疲れを体で感じていて、両手を天井へ向けて伸ばす。
ぐーっと体が伸びて気持ちよくなったとき、コトンッと音がした。
その乾いた音はホワイトボード付近から聞こえてきて、ついさっき先生が持っていたイレーザーが床に落ちている。


え……。


突然のことでなにが起こったのか理解できなかった。
ホワイトボードの文字は半分消されて半分残っている状態で、先生の姿がこつ然と消えていたのだ。


「え、なに?」


純子が唖然とした声で呟く。


「先生はどこにいったんだ?」


続いて正志の声。


「意味わかんないんだけど!?」


未来がパニック寸前の高い声を上げる。
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