命令教室
妙な光景を目の当たりにした純子が眉間にシワを寄せる。


「みんなして遊んでないでよ」


ぶつぶつと文句を口にしながら出口へ向かったが、はやり同じように体を突き飛ばされて尻もちをついた。


「嘘、まさか外に出られないとか?」


香が目を見開いて愕然とする。


「そんな……」


もう1度外へ向かおうとしたとき、後ろから肩を掴まれた。
一瞬大きな悲鳴を上げそうになったけれど、私を引き止めたのは修だった。
その姿にホッと胸をなでおろす。


「今度は俺が行く」


短く宣言して扉から出ようとする。
けれどその体はまたも突き飛ばされていた。


「大丈夫!?」


尻もちをついた修にあわてて駆け寄ってしゃがみ込む。


「なにかに突き飛ばされた」


修は自分の肩に触れて呟き、青ざめる。


「私もそんな感覚がした」
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