命令教室
☆☆☆

ガタンッ!
大きな物音がして目を覚ましたのは私だけじゃなかった。
隣の香も目を覚まして上半身を起こしている。


「今の音はなんだ?」


正志が寝ぼけた声で呟く。


「わかんない。でも、教室の方から聞こえた気がする」


未来が答えながら、隣で寝ている純子を揺り起こした。
食堂に設置されている風邪掛け時計を確認してみると、時刻はすでに朝の7時を過ぎていることがわかった。
思ったよりもしっかりと眠っていたみたいだ。
そうしている間に眠っていた生徒たち全員が起き出して、結局10人揃って教室へ向かうことになった。

教室のドアを開けるとまっさきにホワイトボードが倒れていることに気がついた。


「どうしてこれが倒れたんだろう」


窓は閉めてあるから風が入ってくることもないし、ホワイトボードの足はキャスターがついているもののしっかりしているから、なにか力が加わらないと倒れるようなことはないはずだ。
不審に思いながら私と香でホワイトボードを立て直す。
そのときだった。


「あっ」


と潤が小さく声を上げた。
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