命令教室
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バタバタバタと普段は聞き慣れない音が聞こえてきて私はうっすらと目を開いた。
昨晩は早朝近くまで起きていたから、まだ頭が重たい。
それでも今の音はなんだったのだろうと上半身を起こす。
窓から外を確認してみると、よく晴れた空にヘリコプターが飛んでいく様子が見えた。
「なんだ、ヘリコプターか」
呟き、再び布団に戻っていく。
この近くには軍の基地があると聞いたことがあるから、その関係なんだろう。
ぼんやりとする頭のまま布団に潜り込んで、ハッと息を飲んだ。
「ヘリ!?」
もう1度窓辺に駆け寄って上空を確認するけれど、もうヘリコプターの姿は見えない。
だけど一揆だけとは限らない。
私は慌てて服を着替えて廊下へと飛び出した。
ヘリが飛んでいるということは、屋上からなら助けを呼ぶことができるかもしれないということだ!
隣の部屋の香に伝えようとしたとき、足音が近づいてきて振り向いた。
そこにいたのは早足でこちらへ向かってくる修だ。
修はパジャマ姿で、寝癖がついたままだ。
「今、ヘリが飛んで行ったんだ!」
息を切らして説明する修に私は頷いた。
「私も見た! 屋上へ行ってSOSを送れば気がついてくれるかもしれない!」
施設に閉じ込められてからこれほどまで大きな希望を胸に抱いたことはない。
私は泣きそうになりながら修の手を握りしめる。
「倉庫行けばにラインカーがあるかもしれない」
ラインカーとはグランドに白線を引くときにつかう道具だ。
「そうだね。行ってみよう」