命令教室
そう言うとすぐに駆け出してしまった。
私は上空からでも見えるほど大きなSOSを描く。
どうか気がついてくれますようにと、願いを込めた。
今日は天気もいいからこれが消えることはないはずだ。


「私達、本当に助かるのかな」


香が空を見上げて呟く。


「助かるよ、絶対に大丈夫」


今はそう信じて行動するしか方法がなかった。
それから数分後。
修がダンボールに入った大量の紙とライターを持ってきてくれた。


「これ、私達がやる予定だったプリント?」


紙には問題がビッシリと印刷されていて、見ているだけで嫌気が差してくるものだった。


「あぁ。ここには嫌ってほど紙があることを思い出したんだ」


修はそう言って笑うとプリントを一枚手にとり、クシャクシャに丸めてから火をつけた。
煙はふわりと風にのって飛んでいく。
私は煙りの行く先を視線で追いかけて溜息を吐き出した。

煙はなんの抵抗もなく校舎の外へと流れていく。
つい、手を伸ばしてそれを追いかけてしまう。
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