命令教室
修はさっきから同じセリフを繰り返している。
もう限界だ。
ずっとここにいるわけにもいかないし、一度室内へ戻って休まないといけない。

今の時刻もわからないし、そろそろ朝食の準備だって必要だ。
ここを離れる理由をあれこれ探して自分に言い聞かせるけれど、ほんの小さな期待が胸につっかえてなかなか動くことができない。

もし、私達がここを離れたあとで助けがきたら?
その時室内にいて、気がつくことができなかったら?
そんな想像をしてしまう。

自分の中でどうすればいいのか決着がつかずに動けないままでいたとき、ドアが押し開かれる音がして振り向いた。


「みんな、ここにいたんだ」
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