命令教室
そこに立っていたのは彩だ。
足を怪我している彩がどうしてわざわざ屋上に?
そう思ったが、その顔色の悪さを見るとなにがあったのか安易に想像できてしまった。


「また、ホワイトボードに指示が出たの」


その言葉に呼吸が止まる。
ついさっきまで助かるかも知れないと期待していただけに、絶望感ははてしなかった。
その場に崩れ落ちてしまいそうになるのをなんとかこらえて、私は香と修へ視線を向けた。
早く教室へ行ってみんなと合流しないと、それこそ犯人扱いされてしまうかもしれない。


「……行こう」


私は力なくふたりをうながしたのだった。
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