ようこそ、むし屋へ ~深山ほたるの初恋物語編~
実はオレ……
いきなり向尸井が背後からぬうっと現れて、ほたるは「ひゃっ」と飛び上がる。
「び、びっくりするじゃないですか!」
心臓を抑えて抗議するほたるに、向尸井はにっこり微笑んで続ける。
「喪失目のむしは、特殊な糸で自分の成長に深くかかわった人物の夢の中に入り込む特性があります。オランダは現在午前三時頃でしょうか。彼はレム睡眠中ですね」
「オランダ? 篤はスリランカで亡くなってるんですけど」
「ごめん、ほたる!!」
向尸井とほたるのやり取りを聞いていた篤が、ぺこんと頭を下げて、申し訳なさそうに呟いた。
「実はオレ、死んでないんだ」
「……はあ~~??」
「び、びっくりするじゃないですか!」
心臓を抑えて抗議するほたるに、向尸井はにっこり微笑んで続ける。
「喪失目のむしは、特殊な糸で自分の成長に深くかかわった人物の夢の中に入り込む特性があります。オランダは現在午前三時頃でしょうか。彼はレム睡眠中ですね」
「オランダ? 篤はスリランカで亡くなってるんですけど」
「ごめん、ほたる!!」
向尸井とほたるのやり取りを聞いていた篤が、ぺこんと頭を下げて、申し訳なさそうに呟いた。
「実はオレ、死んでないんだ」
「……はあ~~??」