王子様との奇跡な恋をⅢ


唯一「あっ!発見!」



しばらく歩くと空き教室から唯人が出てくるのを見て、小走りで近寄ろうとした。



けど足を止めた。



唯人と一緒に店員もいるのを見て唖然としてしまった。



゛空き教室で2人っきりって……。゛



店員「私の方からはバレないと思いますけど、大丈夫ですかね……。」




唯人「大丈夫なようにする。」




店員「一応調べてはみますけど、気をつけてくださいね。」



唯人「はーい。あっ唯一。」



手を振ってこちらに近寄ってくる。




唯一「…………。」




唯人「ごめん。約束の時間に行けなくて。」




唯一「ごめんなさい。」



今は一緒に居たくないと思って唯人を置いて走り出す。



唯人「唯一!?」




店員「まさか……今の見てたんじゃ……。」

「追いかけた方がいいです。」




唯人「わかってる。」


急いで探しに行った。






*コスプレ喫茶



唯人「ルナちゃん!ここに唯一来てない?」



走り回ったせいで息切れが激しい。



ルナ「来てないですよ?すれ違ったんですか?」



唯人「いや、ありがと。」



また探しに出る。




その頃走り続ける唯一は前から来ていた誰かにぶつかる。




唯一「痛っ!」

「すみません。……龍我……。」




龍我「泣いてばっかだなお前は。」



手を差し伸べて立たせた後、そっと涙を拭ってあげる。



唯一「泣いてない。走ったから汗かいただけ。」



龍我「そうか。」

「……。せっかくだからどっか見て回るか。」



唯一の手をひいて歩く。

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