王子様との奇跡な恋をⅢ
龍我「お前が別れ話をした時。」
「あの店員が隙を見せたらいつでもお前にアプローチすると思うぞ。って言った時のこと。」
唯一「龍我が冗談だって言った。」
龍我「お前には冗談だって言ったけど、俺の中では冗談じゃない。本当は諦めつけてねぇんだよ。」
唯一「…………。」
龍我「いつか俺にもチャンスがあるかもしれねぇって馬鹿みたいな期待を抱いてる自分が居て。かっこ悪い自分がずっと居る。」
唯一「龍我をかっこ悪いなんて思ったこと一回もない。」
龍我「お前ならそう言ってくれるだろうな。泣いてた理由あの店員だろ?」
唯一「…………。」
龍我「俺と別れても泣いてるんだったら、もう1回俺にもチャンスが欲しい。考えてみてくれ。」
唯一「龍我……それでも私はやっぱり……。」
龍我「直ぐに返事をするな。考えるだけ考えてくれ。頼む。」
その時の龍我の悲しそうな顔を見て、何も言えなかった。
私はなんて甘い女なのだと呆れ返った。