王子様との奇跡な恋をⅢ


手紙を開く

「唯一へ
お誕生日おめでとう。
この世界に君という存在が生まれてきてくれたことに祝福を。

穂高唯人より」

佐山唯一「…………。」




声を押し殺しながら頬を涙が伝う。



泣きながら受付の前を通る時に招待人の名簿が目に入った。



唯一「すみません。少し見せて貰ってもいいですか?」




受付「どうぞ。」




唯一「この文字……唯人さんの字に似てる……。でも、常磐って苗字が違う。」




透「唯一!探したよ。どうした?」




唯一「お父さん。常磐唯人ってどんな人?」




透「それは……。」





唯一のお母さん「あっ!こんなところにいたの!?唯一急いで!挨拶する時間よ!みんな待ってるんだから!」




唯一「もうそんな時間!?」





司会「それでは、本日の主役の佐山唯一様から挨拶をお願いいたします。」




唯一「今日は私事でお集まりいただきありがとうございます。また素敵な贈り物もいただき、ありがとうございます。大事に使わせていただきます。毎年、多くの人に誕生日を祝っていただけて嬉しいです。」



話してる途中で見覚えのある顔が。




司会「唯一様?」



唯一「すみません……なんでもありません。」
「小さい頃はお花屋さんになりたいとピュアな夢を持っていた私ですが、もう21歳になりました。まだまだ未熟な私ですが、社の戦力として大いに仕事にまい進したいと考えておりますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。」



一礼して拍手を貰う。
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