王子様との奇跡な恋をⅢ
*中庭
唯一「…………。」
静かに涙を流す。
唯人「あの日唯一に出会えて嬉しかったけど、怖かった。俺の顔を見て、俺と話したことによって昔の事件を思い出して、拒否反応を起こすんじゃないかって……。」
唯一「…………。」
唯人「だから、昔の話は絶対にしないって決めてたんだよ。」
唯一「…………。」
唯人「泣かないで……僕のお姫様。」
唯一の前で膝を着く。
唯一「何も知らないで……唯人さんばかり苦労して、ごめんなさい。」
唯人「そんなことない。俺がやりたくてやった事だ。唯一とずっと一緒に居たいって思ったから、今まで頑張ってこれた。苦労したなんて思っていない。」
唯一「私のためにありがとう。」
唯人「こっちこそ俺とまた出会ってくれて、ありがとう。」
唯一「聞きたいことがあるの……。」
唯人「何?」
唯一「学園祭の日、店員さんと一緒に学校の中、回ってたでしょ?」
唯人「うん。」
唯一「そのとき空き教室で二人っきりで何をしてたの?」
唯人「……それを見て、あの日から俺を避け始めたの?」
唯一「だって彼氏が他の女の人と空き教室から2人きりで出てきたら誰だってショック受けるよ。」
唯人「ごめん。彼女……本当は店員じゃなくて、俺の秘書なんだよ。」
唯一「えっ!?……道理で美人だと思った……。」