これだけは、覚悟して
「..................っ、ちーくんは、優しいね、」
握られた手が暖かくて、
つい、ポロッと言葉が漏れると。
「ん。それは小雨限定」
ちーくんは、
そう言うとそのまま続けるように.........
「小雨より大事なことなんてない」
そう言うと、どこから出て来たのか分からない傘を私にさしてくれた。
でも、私だけ入ってるのは申し訳なくって。
「...............ちーくんも、傘っ、」
ちーくんの方へと、傘を向けるけど。
ちーくんは、それを拒否して、
私だけの上に傘があるまま、家に帰宅した。
帰宅後、偶然つけたテレビから流れた、
《〝雨の日〟にはご注意を──────》
という言葉が、妙に耳に残った気がした.........