世界くんの想い人
顔だけ振り返ればすぐに世界の切れ長の瞳と目が合ってドキッとする。
「は……離しなさいよ」
「やだね。てゆうか俺だけだし。ちゃんと覚えてんの」
「え……」
口を尖らせた世界が私の耳元に唇を寄せた。
「いいすか?今日は俺と梅子さんが再会した日です」
(あ……)
卓上のカレンダーをみて直ぐに私は四年前の新入社員研修の日を思い出す。世界が五円玉をポケットから取り出すと馬型の貯金箱にチャリンといれた。
「えっと、ごめんね。ほんとだ……ちょうど四年前だね」
あの日世界と再会してから四年の月日が経ったこと、そしてまさかこうして夫婦になっているなんて未だに信じられない。
「てことで、俺、梅子さんに晩御飯作ってあげたいんすけど?さてなんでしょーか?」
世界が意地悪く笑いながら、私の額にこつんとおでこを当てた。
「正解したらたんまり噛んでやるよ、答えは?」
「えっと……外れたら?」
答えは分かっているが念のため、おずおず訊ねた私を見ながら世界がニヤッと笑った。
「噛み殺す」
「なっ……」
「はやく言って。俺腹減ってる」
世界の掌が私の顎に触れると今度は鼻先をくっつけた。
「……オムライス……」
「よくできました」
そしてそのまま世界の唇が近づいてきて私の唇をぱくんと食べた。
「は……離しなさいよ」
「やだね。てゆうか俺だけだし。ちゃんと覚えてんの」
「え……」
口を尖らせた世界が私の耳元に唇を寄せた。
「いいすか?今日は俺と梅子さんが再会した日です」
(あ……)
卓上のカレンダーをみて直ぐに私は四年前の新入社員研修の日を思い出す。世界が五円玉をポケットから取り出すと馬型の貯金箱にチャリンといれた。
「えっと、ごめんね。ほんとだ……ちょうど四年前だね」
あの日世界と再会してから四年の月日が経ったこと、そしてまさかこうして夫婦になっているなんて未だに信じられない。
「てことで、俺、梅子さんに晩御飯作ってあげたいんすけど?さてなんでしょーか?」
世界が意地悪く笑いながら、私の額にこつんとおでこを当てた。
「正解したらたんまり噛んでやるよ、答えは?」
「えっと……外れたら?」
答えは分かっているが念のため、おずおず訊ねた私を見ながら世界がニヤッと笑った。
「噛み殺す」
「なっ……」
「はやく言って。俺腹減ってる」
世界の掌が私の顎に触れると今度は鼻先をくっつけた。
「……オムライス……」
「よくできました」
そしてそのまま世界の唇が近づいてきて私の唇をぱくんと食べた。