戸松先輩の、お気に入り


ワクワクが止まらないまま、
授業を終えて屋上へと向かった。



扉を開くとき、ギィッと、
さびれた音が鳴る屋上の扉は聞き慣れたもの。



その音すら、聞き心地が良く聞こえるぐらい。



そして........................



私は寝ている先輩の元へと向かう。



「.....................っ、うふ」



先輩の寝顔を見てまず、笑みが溢れた。



しかも、通報されても、
おかしくないぐらいのレベルのにやにや。



いま、鏡でも見たら、
ほんと、気持ち悪い顔してるって。



自分で自覚があるほど........................



そんな中聞こえたのは。



「...............モコに触れたい、」



猫のモコちゃんの名前と、
モコちゃんに、〝触れたい〟って言葉。



なんか、いつか、隣のクラスの子が、
話してるのを聞いた気がする.....................


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