戸松先輩の、お気に入り


もやもや、
ヤキモチでいっぱいになっちゃう私。



「まっ、めぐに対するかわいーは違うけど」



風と柑橘系の香りと共に、
サラッと聞こえてきた、先輩の声。



「へっ?」

「めぐのかわいーは、彼女にしたいの方」



私の驚いた顔と声に重なって、
先輩の真剣な顔と声が重なる。



「..................っ、せんぱいの、彼女っ、」



ボソッと呟くなり、
顔が真っ赤になって、一気に上がる体温。



そんな私を見てか、先輩は。



「.........めぐ、ぎゅーってする?」



まるで、
私に選択肢を与えるように言う先輩。



凄くドキドキするけど。



でも..............................っ。


< 29 / 32 >

この作品をシェア

pagetop