戸松先輩の、お気に入り


「..................っ、ぎゅーって、します、」



照れながら、勇気を振り絞って口にしたら。



「あーーっ、めぐって癒しだわ」



先輩の声が、
聞こえた時にはあっという間に腕の中で。



柑橘系の爽やかないい香りに抱きしめられる。



私が〝彼女〟になって、
先輩にとって、〝癒し〟かもしれない。



でも...........................



「...............モコちゃんには、勝てません」



ポロリと溢れた、私の本音。



対して...........................



「あっ、まだそれ言う?」



なんて、ふっと、笑う先輩。


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