戸松先輩の、お気に入り


先輩の寝顔を見つめること、3分ほど。



「...............気づいてないと思ってた?」



聞き覚えのある、
聞き取りやすい低音の声。



この声は私じゃない。



そう、寝ていたハズの先輩の声。



久しぶりに聞いた...............先輩の声。



「せ、せせせ、先輩っ‼︎いつから起きて......」



〝起きていたんですか?〟って。



聞こうとしたけれど、
それを阻止するように先輩に手首を掴まれた。



そして、そのまま........................



「.........昼寝のジャマしたら怒るから」



そう言って私を抱き寄せるようにして、
先輩は再び眠りについた。



そんな事をされて、私のドキドキが、
収まらないのは、言うまでもない............


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