【SS】彼氏の秘密
「……気にしないで。別れよっか」
「待って! 別れるなんて考えられない、そんなこと言わないでくれ!」
やけに焦った声だった。
「……なんで? デートはしてくれないし、話しかけたらスマホ隠すし、誠也の友達だって挙動不審なのに」
「えっ、い、いや、それは……!」
「正直に言っていいよ。付き合うの、飽きたんでしょ?」
「そんなことない!! 俺は茜のことが好きで好きで堪らなくてっ」
「……は?」
仄暗い予想が全て吹き飛ぶ衝撃に、思わず眉を顰めたくなる。
「デートは何日かプランを練って絶対に楽しませたいし! 茜とのLIMEとか、写真見返してるの見られたら、引かれるかなって心配で!」
「……え」