上司の甘い復讐





そのままニヤニヤとオフィスに戻ったのだが……

私のピンクな気分は、翔太さんの不機嫌な顔で吹っ飛ぶことになった。

彼はイラつきながら私を睨み、


「おい」


脅迫まがいの声で言う。


「USB、あったのか」



あるわけがない。

見つからない。

だから蚊の鳴くような声で告げる。


「ありません」


すると奴は私をひと睨みし、オフィスから出て行った。



胸がズキズキと痛む。

正直、もうオフィスで彼とは会いたくないと思う。

好きになればなるほど、そんな態度を取られるのが辛い。

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