上司の甘い復讐
翔太さんと早乙女さんの関係は知らないが、本当に何もないのかもしれない。
だけど、花火大会に一緒に行くって言うのは……?
はてなが飛ぶ私の耳に、
「大倉さん!!」
泣きそうな山村君の声が飛び込んでくる。
山村君は私の姿を見つけるなり、オフィスの奥からすっ飛んできた。
「大倉さん、すみませんでした!!」
いや、謝るなら翔太さんに謝ってよ。
だけど山村君は、これまた見当違いの言葉を吐いたのだ。
「大倉さん!
僕のせいで、ずっと川崎さんに怒られていて……」
「……え?」
「だって、会議室でずっと説教されていたんでしょ!?」