上司の甘い復讐



俯く私と騒ぐ室内に、翔太さんが戻ってくる。

うるさい私たちを見てまた怒るのかと思ったが、どうやら本当に機嫌がいいらしい。

翔太さんを見て紅くなる私に、彼は告げた。


「大倉、おはよう」


「お、おはようございます……」



翔太さんを見るだけで私はこんなに余裕がないのに、どうして彼はいつも通りなの?

だけど彼のことを思うたび、身体が熱くなる。

翔太さんが愛してくれたことを思い出しただけで、身体がふにゃふにゃになる。

だけど山村君の言葉が、私を現実につき戻したのだ。


「川崎さん、花火大会の日はありがとうございました」


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