上司の甘い復讐
その瞬間……
前に置いてあったウーロン茶の入ったグラスが大きく揺れた。
まずいと思った瞬間、それはガシャーンと私のほうに向かって倒れてきたのだ。
茶色い水しぶきが私を襲う。
そして気付いた時には、ブラウスの左半分が冷たく濡れていたのだ。
最悪だ。
「ミキさん、大丈夫ですか!?」
ハゲ崎は驚いて立ち上がり、私のもとへ駆け寄る。
来ないで!
こんな姿、見られたくない!
そう思ったのも最後、ハゲ崎はこれまたスマートにハンカチを出し、濡れた私の服に当てる。
最悪だと思いながらも、ハゲ崎のいい香りにくらっとしてしまう。
ハゲ崎がハンカチ越しに触れた部分が、冷たいはずなのに焼けるように熱い。
私の身体、どうなってしまったの!?