上司の甘い復讐



「俺は瑞希を安心させる。

……だから瑞希も、俺を安心させて?」



翔太さんがそっと頬に触れる。

ピリッと電流が流れる。

お互い泣きそうな顔で見つめ合って、軽いキスを交わす。




翔太さんといたら、麻理子さんの件も大丈夫な気がした。

だって、翔太さんは圭介とは違って、ちゃんとした人だから。



「もしかして、それで怒ってたの?」


翔太さんの言葉に、素直にこくりと頷いた。

すると目を細めて翔太さんは笑う。


「可愛いね、瑞希」




オフィスの誰もが、翔太さんがこんな人だとは思ってもいないだろう。

こんなにも優しくて甘くって、胸が苦しくなるほど私を狂わせる人だとは。


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