上司の甘い復讐
翔太さんのマンションが見えてきた。
少し広い、単身用のマンション。
あの部屋で、翔太さんは麻理子さんを抱いていたのだろうか。
胸がちくりと痛む。
感傷に浸っている私に、翔太さんは不意に告げた。
「瑞希、一緒に住も?」
「……え?」
ぽかーんと見上げると、彼は頬を染めて少し焦ったように言う。
「ほら!元カレがストーカー化してるし……
一緒に住んだら、お互い安心出来る」
翔太さんはずるい。
そうやって、私を離れられないようにして……安心させてくれるから。
そして私も翔太さんが好きだから、一緒に住みたいと思ってしまう。