上司の甘い復讐



私の無言の圧力を感じたのだろうか。

翔太さんは不意に麻理子さんの手を払った。

そして麻理子さんに告げる。


「俺、彼女いるんだけど」




……え!?



胸がときめいたその瞬間……



「うわー!!

川崎さんって彼女がいるくせに、大倉さんを狙っているんですか?

最ッ低じゃないですか?」


隣にいた山村君が私に囁く。

いや、囁いているつもりだろうが、地獄耳の翔太さんには聞こえているのかもしれない。

だけどこの状態で、私が彼女です、だなんて言えるはずもない。


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