上司の甘い復讐
早く終わって欲しい、この時間
結局、翔太さんと麻理子さんのおかげで、老舗の社長さんとの打ち合わせも上手くいった。
場を盛り上げたのは山村君だったが、私はマスコットのようにただ座っているだけだった。
私が京都まで来た意味はなかっただろう。
翔太さんも、私なんかに声をかけたことを後悔しているに違いない。
外に出ると、むっと暑い夏の空気が押し寄せた。
そして、いつの間にか空も暗くなっている。
本当は、このあと翔太さんと甘い時間を過ごせると思ったのに……
「ねえ、どこに飲みに行く?」
麻理子さんが翔太さんに聞く。