上司の甘い復讐

早く終わって欲しい、この時間







結局、翔太さんと麻理子さんのおかげで、老舗の社長さんとの打ち合わせも上手くいった。

場を盛り上げたのは山村君だったが、私はマスコットのようにただ座っているだけだった。

私が京都まで来た意味はなかっただろう。

翔太さんも、私なんかに声をかけたことを後悔しているに違いない。




外に出ると、むっと暑い夏の空気が押し寄せた。

そして、いつの間にか空も暗くなっている。

本当は、このあと翔太さんと甘い時間を過ごせると思ったのに……



「ねえ、どこに飲みに行く?」


麻理子さんが翔太さんに聞く。


< 283 / 349 >

この作品をシェア

pagetop