上司の甘い復讐
そんなハゲ崎だけど、ひとつだけ私のほうが勝るものがある。
それは……
「それでもやっぱり、ハゲ崎性格悪いもん」
そう、だから周りの人はハゲ崎に寄りつかない。
これには美帆も何も言えないらしい。
「川崎さんの部下だなんて羨ましいと思ったけど、なんだか大変そうだね」
「うん。ハゲ崎なんて地獄に堕ちればいい」
私はそう答えていた。
あの自信満々のハゲ崎の面、へし折ってやりたい。
だけど……認めたくないが、性格以外の何でも、ハゲ崎に勝てる自信はないのだ。
「だからハゲてないって!」
「いや、あいつは絶対ハゲるから」
美帆も見ていればいい。
十年後、奴は本当にハゲ崎と呼ばれるようになっているに違いない。
いい気になれるのも今のうちだ。