上司の甘い復讐



私が口を開いた瞬間、


「大倉、困っていますよ」


なんと、ハゲ崎が助け舟を出してくれた。

ハゲ崎は愚かな元カレ圭介を見て嘲笑うかと思ったのに、意外だった。




圭介は一瞬ハゲ崎を見て、赤くなって俯く。

きっと、見た目は圭介よりもずっとかっこいいからだろう。


「次の彼女は大切にしてあげてください」



ハゲ崎のくせに、ハゲ崎なんかの言葉に涙が出そうになった。

不覚にも、圭介と並んだらハゲ崎はいい男だった。

それがありありと分かってしまった。


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