上司の甘い復讐




残業をしてオフィスを出ると、ちょうど美帆に会った。

美帆は興味津々に聞く。


「瑞希、マッチングアプリの相手、どうだった?

ブスだった?ハゲだった?」


「そう、ハゲだった」


思わず答えていた。


「美帆もびっくりするようなハゲだった」


すると、美帆は面白そうに笑う。


「ほら、やっぱりあのアプリはやめておいたほうが良かったよ」


「うん、やめておけば良かった。

でもさ、私の大嫌いなハゲに仕返し出来るから……」



そう言って私は、マッチングした相手がハゲ崎だったことや、ハゲ崎はミキには優しいことを話した。

美帆は私の話を聞いて笑ってくれると思ったのに、怪訝な顔で言う。


「でもそれ、川崎さん可哀想じゃない?」


< 53 / 349 >

この作品をシェア

pagetop