上司の甘い復讐
残業をしてオフィスを出ると、ちょうど美帆に会った。
美帆は興味津々に聞く。
「瑞希、マッチングアプリの相手、どうだった?
ブスだった?ハゲだった?」
「そう、ハゲだった」
思わず答えていた。
「美帆もびっくりするようなハゲだった」
すると、美帆は面白そうに笑う。
「ほら、やっぱりあのアプリはやめておいたほうが良かったよ」
「うん、やめておけば良かった。
でもさ、私の大嫌いなハゲに仕返し出来るから……」
そう言って私は、マッチングした相手がハゲ崎だったことや、ハゲ崎はミキには優しいことを話した。
美帆は私の話を聞いて笑ってくれると思ったのに、怪訝な顔で言う。
「でもそれ、川崎さん可哀想じゃない?」