上司の甘い復讐
明るくなる映画館の中、隣のハゲ崎を見るのが恥ずかしい。
ハゲ崎は私を、どんなエロい女かと思っただろう。
真っ赤な顔の私は、今にでも泣き出しそうだった。
それなのにハゲ崎は、
「なんか……すごいびっくりしたね」
なんて声をかけ、気まずい空気を打ち破ろうとしてくれる。
「び、びっくりしたけど面白かったよ!」
フォローしてくれているだけだろう。
フォローではなく本当に面白いと思っていたなら、ハゲ崎は間違いなく変態だ。