上司の甘い復讐
仕事を終え……
私は猛ダッシュで帰宅した。
そして、念入りにミキに変身する。
鏡の中の私はロングヘアを揺らし、ふわふわのシャツにスカート姿のいい女に変身していた。
そしてコロンをしゅしゅっとかけ、ハイヒールで出動する。
待ち合わせ場所にいたハゲ崎は、今日オフィスで会ったハゲ崎以外の何者でもない。
だけどオフィスにいるハゲ崎とは違い、私を見ると嬉しそうに駆け寄った。
「ミキちゃん。また会えて嬉しいよ」
そしてぎゅっと手を握る。
このギャップにくらくらする。
そして、その笑顔は犯罪だと思う。
だって見ただけでにやけて、紅くなって、好きだと思ってしまうから。