上司の甘い復讐




胸が焼けるように熱い。

顔がにやけてしまう。

答えは決まっている。

ハゲ崎を知れば知るほど好きになるから。

もう後戻りは出来ない。



「ハゲ崎……」


呼ぶと、頬を染めたまま甘い瞳で見つめられる。


「大好き」


その瞬間、また唇を塞がれる。

甘くて優しいキス。

愛されているって分かるキスが降り注ぐ。

ハゲ崎が好き、大好きだ。




胸を焦がし見つめる私に、彼は甘くそっと告げる。


「だからハゲ崎はやめろって」


「……翔太さん」


ハゲ崎……いや、翔太さんは嬉しそうに目を細めた。

ずっとこの笑顔で、本当の私を見て欲しいと思っていた。

いつの間にかこんなにも、翔太さんに惚れていた。

今の私は世界で一番幸せだ。






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