上司の甘い復讐
2.
裏と表の顔に、翻弄されっ放し
「大倉。果物ナイフを出しっ放しにするな。
……てかお前、なんで果物ナイフなんて使うんだ?」
出社早々、いつも通りのテンションのハゲ崎に怒られた。
それで甘い気持ちなんて吹っ飛んでしまった。
私はハゲ崎ハゲろと心の中で呟きながら、
「すみません」
果物ナイフを蓋に仕舞い、箱に片付けた。
ハゲ崎は狂っている。
私は今出社したばかりで、果物ナイフを使う余裕なんてなかったのに。
完全な濡れ衣だ。