念願の婚約破棄された悪役令嬢は、なぜか廃嫡寸前の変人王子に執着される
「シャローラ。
君とは婚約破棄する!」
広間にオーガスト王子の声が響き渡る。
瞬間、それまで奏でられていた音楽も、人々のざわめきもぴたりと止まった。
……きた。
歓喜で、心が震える。
しかしそれが顔に出ないように引き締めた。
ここはかつて私がやっていた乙女ゲー、『悠久の時空を超えて』の世界だ。
主人公は今、オーガスト王子の後ろに庇われている少女、守永耀子。
耀子は聖乙女としてこの世界に召喚され、魔物との戦いの中で彼、オーガスト王子をはじめ複数のヒーローとルートごとに恋をする。
私、シャローラはいわゆる悪役令嬢というヤツだ。
銀髪にアイスブルーの瞳なんて見た目がいいのは気に入っていた。
そして第一王位継承者で第二王子であるオーガストと婚約している。
なんでそんな世界にいるのかって、向こうの世界の私が死んだからに他ならない。
そして現在、耀子のお披露目パーティで、予定どおり婚約破棄イベントが始まっていた。
「そんなにヨーコをバカにして楽しいか?
ヨーコはまだ、こちらに来て日が浅いんだ。
知らなくても仕方ないだろ」
王子は先程、騎士団長の名前も知らない耀子に、私が丁寧に教えてやったのを怒っている。
もちろん、マウントを取ってやった。
君とは婚約破棄する!」
広間にオーガスト王子の声が響き渡る。
瞬間、それまで奏でられていた音楽も、人々のざわめきもぴたりと止まった。
……きた。
歓喜で、心が震える。
しかしそれが顔に出ないように引き締めた。
ここはかつて私がやっていた乙女ゲー、『悠久の時空を超えて』の世界だ。
主人公は今、オーガスト王子の後ろに庇われている少女、守永耀子。
耀子は聖乙女としてこの世界に召喚され、魔物との戦いの中で彼、オーガスト王子をはじめ複数のヒーローとルートごとに恋をする。
私、シャローラはいわゆる悪役令嬢というヤツだ。
銀髪にアイスブルーの瞳なんて見た目がいいのは気に入っていた。
そして第一王位継承者で第二王子であるオーガストと婚約している。
なんでそんな世界にいるのかって、向こうの世界の私が死んだからに他ならない。
そして現在、耀子のお披露目パーティで、予定どおり婚約破棄イベントが始まっていた。
「そんなにヨーコをバカにして楽しいか?
ヨーコはまだ、こちらに来て日が浅いんだ。
知らなくても仕方ないだろ」
王子は先程、騎士団長の名前も知らない耀子に、私が丁寧に教えてやったのを怒っている。
もちろん、マウントを取ってやった。
< 1 / 22 >