甘さはひかえめで。
隣の席は意地悪男子



「A組だ!」


新入生が集まって、クラス表を見ている中、

私は隣にいる男の子の袖を引っ張った。


「……どこに目ついてんの。
乃々(のの)はB組じゃん」

「違うー!
(あかね)くんがA組だって意味!」

「なんで自分じゃなくて俺の名前探してんの。
自分の名前探すでしょ普通」

「私、普通じゃないのかも!!」

「はぁ…うるさ。
さっさと教室行こ」

「わぁっ!
待ってよ茜くん〜〜!」


結月(ゆづき)乃々、今日から高校生。

あまりにもバカすぎるせいで、中学からの友達と同じ高校には行けなかった。

まぁ心機一転、一から友達作ればいっかと思っていたのだけれど。


「やっぱ乃々一人じゃなんかやらかしそうで不安しかない。
おばさんに任されるわけだ」

「失礼すぎる!」


隣の家で、昔から仲良くしていた幼なじみの茜くんが一緒だと聞いて、めちゃくちゃ安心している。

昔と違って、今はクールでちょっと毒づいてくるけど

茜くんがいてくれてよかった。


…もしかして、茜くんも勉強苦手だったのかな?


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