甘さはひかえめで。



「あ、おかえりー。
と、こんにちはー」


待ち合わせ場所まで行ったら、キャプテンさんがもう待ってて。

燿に『おかえり』と言ったあと、私に会釈した。


「何ともなかった?」

「心配してた通りナンパされてた」

「おとなしく待てない性格でよかったな?」


キャプテンさんが燿の頭を乱暴に撫でる。

2人で話してる感じ…燿はもう先輩と合流してたのに、わざわざ私を迎えに来てくれたってこと…?


………。


「乃々、今空いてるから早く入るぞ」

「……」

「……乃々?」

「あっ…ごめん今行く!」


……なんでだろう。

燿の顔見たら

なんだかずっと、胸がきゅってしめつけられてるみたいで

なにも悲しくないのに、泣きそうになる。


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