甘さはひかえめで。


「いらっしゃいませー」


お店に入ると、燿の言う通り、お昼の時間にはまだ少し早いからか空いてて、

キャプテンさんが『好きなとこ座っていいよ』って言うから、一番端のテーブルについた。


「乃々ちゃんはこういう時端っこ行くタイプなんだね?」

「えっ…あ、
端っこのほうが落ち着くので…」


昔から目立つことは好きじゃない。

目立つことが好きなら、カッコよくてモテる茜くんの隣りにいても堂々とできるんだろうけど。

茜くんから離れたいと思ったことはないけど…居心地はあんまり良くなかったな。


「球技大会の時はすごく堂々としてたし、
チームを引っ張ってる感じあったから、
まさかこんなジメっぽい方が好きだとは。意外」

「ジメっぽい…」

「先輩それは言いすぎでしょ。
俺だって端のほうが好きだし。
ほら、教室の席とか、真ん中より端のほうが嬉しくないっすか?」

「んー…オレは前後左右に喋り相手いてくれる方が楽しいから、真ん中派」

「先輩が陽キャすぎるんすよ。
なあ?」


燿に同意を求められて、うんうんと頷いた。


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